ダイエットや勉強が続かない、部下や後輩がルールに従ってくれないという悩みを持っている方は少なくないと思います。
なぜそのような事態が起こるのかと言うと、ルールの作り方に問題があるからです。
冒頭の例で言えば、習慣付けのルールがそもそも無かったり適切でない場合があります。
部下が言うことを聞いてくれないのはルールが多すぎて理解できていなかったり、別のルールと矛盾してしまっているなどの要因が考えられます。
今回はそんな習慣やルール作りのための本“SIMPLE RULES”を紹介します。
成功している個人や企業はとにかくルールが少ないです。「そんな数で大丈夫?」と心配されるほどにです。今回はルール作りで少しでも成功に近づきたいと思う方に対してお話します。
今回この記事で紹介する「SIMPLE RULES」では
・これから何かを習慣付けたい人
・部下や後輩がルールに従ってくれない人
・大勢の人が守ってくれるルールを作りたい人
に対して
・シンプルなルールがなぜ良いのか?
・シンプルなルールの作り方
・シンプルなルールを使った私の実例
を提供します。
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“SIMPLE RULES”はどんな内容?
成功している個人や企業がいかにルールをシンプルにしているかを説明しています。
なぜシンプルなルールの方がいいのか?どうやってシンプルなルールを作っていったのか?どんな人や企業がシンプルなルールを活用して成功したのか?という事例も紹介されています。
もちろん、そういった成功するためのルールの作り方やルールの種類についても説明されています。
“SIMPLE RULES”には2種類ある
世の中には細かいところまで決められたルールとシンプルなルールの2種類が存在します。今回の記事ではシンプルなルールはどうやって作るのか?にフォーカスして紹介しますが、本題に入る前に2つのルールの特徴をお伝えします。
2つの特徴や使いどころを把握しておくことで、今後のルール作りにおいてどちらのルールを採用した方が効率的になるかの判断基準にしていただければ幸いです。
細かいルール
細かいルールが役に立つのは予測可能で、効率的で、できるだけミスを出さないことが求められる場合です。
例えば、医療現場や航空機の操縦といった少しのミスが命に関わる場合だったり、マクドナルドのマニュアルのように、バラツキを排除し低価格の商品やサービスを提供する場合に使われます。
SIMPLE RULES
シンプルなルールは経営方針、未来予測といった答えのない問題に対して有効です。目的に沿っていれば、その時の状況に応じていくらでもやり方を変えることができます。
例えば「大学受験に合格」という目標を立てたとします。「どの教科を何時間勉強すれば合格できる」という明確な答えはありません。ルールとして「毎日10時間以上の勉強」「苦手な教科や配点が高い教科は最低3時間」と決めたとしたら、英語に9時間使おうが、数学に1時間だけ使おうが自由ということです。
仮に模試やテストで現代文が悪い点数だったら現代文を毎日3時間、他の教科を合計7時間以上勉強するというように受験に合格するために勉強の配分を自由に変えることができます。
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“SIMPLE RULES”で述べられているシンプルなルールの4つの特徴
ルールの数が少ない
数が少なく単純だからこそ最優先事項に集中できるのです。
使う人によってカスタマイズできる
例えば一口に「食事ルール」と言っても、痩せたい人と筋肉をつけたい人とスポーツ選手の食事内容は異なります。
痩せたい人は糖質やカロリーを取りすぎないようなルールを作ります。
筋肉をつけたい人は減量期と増量期に分けて食事のルールを作ります。減量期なら痩せたい人と同じ食事内容かもしれませんが、増量期では明らかに食事内容が変わります。
スポーツ選手はとにかくカロリーを消費するので、栄養に気を遣いながらとにかく食べます。
このように「食事ルール」と言っても目的やルールを使う人が違えば内容は変わるということです。スポーツ選手の食事ルールを痩せたい人が使ったら…ね?
具体的である
目標を1つに絞ってルールを作った場合には効果的です。
しかし1つのルールを複数の事柄に対して当てはめようとすると、具体性が無くなってしまい非現実的なルールになってしまいます。
例えば「毎日勉強する」というルールを「大学受験」「資格取得」「将来の仕事のため」という3つの理由で行うとします。
大学受験にも資格取得にも仕事にも役立つ勉強って何でしょうね?
英語なら条件を満たすとは思いますが、必要な勉強内容は3つとも違いますよね?リスニング重視だったり、ライティング重視だったり、スピーキング重視だったり…。
結局、二兎を追う者は一兎も得ずということです。仮に勉強したとしても、身につくのは中途半端なものです。欲張らずに目標は1つに絞りましょう。
柔軟性がある
これは「ルールには2種類ある」で説明したとおりです。
目的を1つに絞ったとしても、ルールの範囲内なら状況に応じてアレンジしてもいいのです。
“SIMPLE RULES”の6つのカテゴリー
ここで全てを紹介するには長いので知りたい方はnoteにまとめましたので、こちらをご覧ください。
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“SIMPLE RULES”の作り方
お待たせしました。
ここからはどうやってシンプルなルールを作るのかについてお伝えします。しかし、その前に前提として覚えていただきたいことが1つだけあります。
それは最初の1回でうまくいくルールは作れないということです。何回も何回も試行錯誤しながら修正を加え続けてようやく完成するものなのです。
ぜひこのことを念頭に置いてルール作りにチャレンジしてみてください。
4つの考え方があります。
自分の経験や価値観を活用する
これはルール作りの最も一般的な方法です。
例えば下の画像のような食事の場合、皆さんは何から箸をつけますか?
人によって選ぶものが違えばその理由も異なります。それこそが経験や価値観の違いからくるルールです。
他者の経験をうまく拝借する
自分の経験の引き出しがない場合に有効です。
例えばダイエットを成功させたいことのない人は、すでに成功させた人のルールをそのまま試してみることができます。
仮にそのルールが自分に合わなかった場合、他に成功させた人のルールから自分の生活や体質に合ったものを持ってくるというやり方もできます。もちろん1つだけでもいいですし、複数個でも大丈夫です。
ちなみにここで言う「他者」は人間には限りません。
例えば注射針の構造は蚊からヒントを得て作られています。
ベッドや断熱材などでよく使われる「ハニカム構造」はその名の通り蜂の巣がヒントになっています。
このように自分以外の全てが何かしらのヒントになっている可能性があるのです。
科学的証拠で補強する
数多くの実験を通して得られるのが科学的根拠です。当然、誰か一人の実体験よりは信憑性は高いでしょう。しかしその科学的根拠は条件が揃っていたから、もしくはある特定の条件下で偶然に起こったという場合もあります。
科学的根拠を使用するのであれば、数多くのデータの中からもっとも確かなものを選ぶ必要があることは忘れてはいけないのです。
話し合いでレベルを上げる
目的や考え方が違う人々がルールを作るときに使います。
例えば、会社の業績が悪くなったのでいくつかの事業を撤退することになったとします。当然、自分が指揮する、あるいは所属する部署を廃止されては困ります。社長や役員の主観で決められたら反発が発生するのは目に見えています。
こういった場合に責任者が全員集まって存続と撤退の基準を話し合うのです。利益率、顧客満足度、似た事業は廃止ではなく統合する…いろんな基準や方法があります。
全員が満足することはありえないですが、一方的に廃止を告げられるよりはまだ受け入れられるのではないでしょうか?
“SIMPLE RULES”で結果を出した例
ここでは私自身がシンプルなルールを使ってダイエットに成功した話をします。詳しく知りたい方は「無料+食事制限なしで1年で17.4kg痩せた方法、知りたくない?」からどうぞ。
ルールは5つです。
1.16時間食べない
2.腹八分目
3.チートデイをあらかじめ決めておく
4.筋トレは週6回で1回30~60分
5.筋トレ内容は2日連続しない
食事内容については何も決めていません。お菓子も炭水化物も酒もある程度は飲み食いしていました。
「腹八分目」というのは個人差があります。私の基準では「食後に駅やバス停に急ぎ足で向かっても気分が悪くならない」としてします。これは自分の経験を活用した例です。飲み会などから帰るためにタクシーを使いたくない=公共交通機関の最終に間に合う必要があるという、超個人的な理由をそのまま採用しています。
筋トレ内容についても、「2日連続で同じ部位を鍛えないようにする」と時間だけ決めました。毎日同じところだけをしても意味がないという情報を得たからです。
こういったルールを作って実行したことで1年で17.4kgの減量に成功しました。
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感想
効果的なルールの作り方を学べる良書でした。
多くの人が必ず抱く疑問「なぜ自分で作ったルールなのに守れないのか?」。その答えをたった一言、「ルールが未完成だから」で示してくれたことは私にとって大きな発見でした。
多くの人は何かの目標に対してルールを決めます。しかし、ルールそのものを見直す人は多くはいません。失敗したら目標そのものを諦めてしまう。あなたもそんな経験がありませんか?
この本が教えてくれた「ルールは1度決めたら何回も何回も見直し・修正して完成に近づけていくもの」という考え方は、今後の人生の役に立つと考えています。この一点だけでも自分の価値観を変えてくれたこの本は、多くの人が見るべきものだと思います。
まとめ
今回紹介したのは「SIMPLE RULES」でした。
ルールはシンプルである方が成功しやすく、コツや種類が分かれば誰でもシンプルなルールは作ることができるという内容でした。
シンプルなルールは困難に直面しているときや、緊急を要する重大なときにこそ役に立ちます。なるべく早くそういった状況を想定したルールを作っておくことが、人生をより良い方向に進めてくれます。
最後に監訳者のありがたい言葉を紹介して終わります。
(前略)ルールづくりがゴールになってはいけない。ルールを通じて、成果を出すことがゴールなのである。
SIMPLE RULES p220~221
ルールを作るのも大事だけど、行動することの方が重要ということです。
今回はここまで。
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