積ん読が多くなってきたな…。でも、読む時間が無いんだよなぁ…。せめて読むスピードを上げられたら積ん読も減らせるのに…。
速読のセミナーに高いお金を使ったけど、なんか効果が実感できないんだよな。内容が頭に残らないというか…。もしかしてダマされた?
あの本も読みたいし、この本も読みたい…。ああ、でも、時間には限りがあるから全部は読めないし…。本当に読むべき本だけ知りたい!
大学入試センターでいい点取りたいぃぃぃぃいぃぃ!!
そういった悩みを抱えている方にオススメなのがこちらの本です。
「読書の技法」を読むことで以下の能力が身につきます。
・正しい速読のやり方
・効率の良い知識の入れ方
・センター試験で8割取る方法
・漫画や小説でも学びを得る方法
なぜ受験生にもオススメなのかは後ほどお伝えします。
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「速読」に対する認識の違い
皆さんは「速読」と聞いて何が思い浮かびましたか?
多くの人は下の動画のようなイメージを持ったのではないでしょうか?
「読書の技法」では動画のような単純にパラパラとページをめくるようなやり方はただの指の運動と切り捨てています。(決してこの動画を批判しているわけではありません。あくまで一般的な速読のイメージです。)
「読書の技法」では速読をするためには基礎知識を増やすこと。
知っていることが多ければ読み飛ばせるページも増えると語っています。
まとめると
・一般的なイメージの速読…単純に1冊の本を早く全て読むこと
・「読書の技法」で語られている速読…本の必要な部分だけ読む
ということになります。
読書の目的とは?
あなたは読書の目的を考えたことがありますか?
読めって言われたから仕方なく読んでんだよ!
別に読めとは言われていないけど、本を読んどけば頭が良いと思われそうだし?
と様々な事情や思いで読まれていると思います。
では筆者はどう考えているのでしょうか?
読書の目的をこう語っています。
どんなに努力しても、知りたいことの大部分について、諦めなくてはならない。しかし、そう簡単に諦めたくない。そのときに役に立つのが読書だ。他人の経験、知的努力を、読書によって自分のものにするのだ。
読書の技法 4ページ より
重要なことは、知識の断片ではなく、自分の中にある知識を用いて、現実の出来事を説明できるようになることだ。
読書の技法 58ページ より
まとめると現実の出来事を説明するためには知識が必要で、知識を入れるためには読書が一番の近道。ただし人生で読める本には限りがあるということになります。
現在、仕方なく読書をしている方や、目的も無く読書をしている方は「現実の出来事を説明できるようにする」という目的を持つだけでも本に対する考え方や読み方が変わってくるのではないでしょうか?
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3種類の本の読み方
「読書の技法」では本の読み方には3種類あり、それぞれにやり方と目的があると語っています。
ここではそれぞれの目的と読み方について簡単に説明します。
「もっと詳しく知りたい!」と興味を持った方はぜひとも実際に本を手に取ってみて下さい。
熟読
熟読の目的は知らない知識を頭に入れるためです。
そしてシャーペン・消しゴム・ノートを準備し同じ本を3回読みます。
1~3回目はそれぞれで行動することが異なっています。
超速読
超速読とは最初の1ページと目次を読んだら1冊5分を目標にページをめくるだけというやり方です。
目的は
・熟読する部分
・速読をしてノートに取る
・速読をしてノートに取らない
・超速読のみ
の4つを仕分けるために行います。
分かりやすく言うとこの本には価値のある情報があるのか?あるならどのページ?を調べるために行うということです。
使用する道具はシャーペン・ポストイット。
具体的なやり方・ルールは実際に本を手に取ってもらって…。
速読
速読の目的は読まなくても良い本をはじき出すことにあります。
つまり速読で自分が読むべき本を選別するということです。
速読にもいくつかルールがあるのですが、ここでは私が重要だと判断した2つのみを紹介します。
速読で理解・記憶しようとしない
速読では細かい理解、本の内容を全て記憶をしてはいけない。
大雑把な理解・記憶と「どこに何が書かれていたか」が頭の中にあればいいと語っています。
できるだけ文字を追う
速読におけるロスは同じ場所を何回も読み直すこと。
「読書の技法」では対策として定規を当てながら読むことを推奨しています。
読書ノートは必要?
「読書ノート」という単語を初めて聞いた方がいるかも知れませんが、簡単に説明すると読んだ本の重要だと思ったところを記録するためのノートのことです。
読書ノートは必要?不要?で議論が分かれることがありますが、「読書の技法」ではどのように考えているのか?
結論から言えば読書ノートは以下の理由で必要であると断言しています。
・記憶への定着率
・自分の苦手分野や未知の分野の知識を効率よく身につける
・「どう知っているのか」を説明できるようにする
読書ノートを作る際にもルールがあります。詳しく知りたい方はぜひご購入を。
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読書力が上がらないときは?
本を読むときには線を引いたりメモを取っている。なのに内容が身につかないという人もいるかと思います。
この状態になったときは以下の3つを疑うことを勧めています。
知識には熟成期間がある
筆者はこう述べています。
人間の記憶や理解は不思議なメカニズムになっており、知識は一定の熟成期間をおいた後にしか身につかない。
読書の技法 112~113ページ より
ちなみに、著者は知識の定着に3~6ヶ月かかるそうです。
同じ人間である以上、みなさんも同じくらいかかると考えたほうが良いでしょう。
背伸びをしすぎている
2つ目に考えられるのは背伸びのしすぎです。
大学受験には高校レベルの知識。
高校受験には中学レベルの知識。
中学受験には小学生レベルの知識が必要です。
あなたはその分野ではまだ中学生レベルなのに大学受験に挑戦しようとしていませんか?
つまり現状に対して目標が高すぎるのでは?ということです。
あなたは今、どの段階にいるのかを意識したことがありますか?
もし中学生レベルなのに大学受験しようとしているのであれば、高校受験にまでレベルを落として下さい。
そのまま読書(勉強)を続けていても永久に理解することはできません。
基礎知識に欠落がある
熟成期間も過ぎ、基礎知識もつけたつもりでも読書力が向上しない場合、自分の基礎知識のどこに欠落があるのかを調べることが必要だと著者は述べています。
先述した「背伸びをしすぎている」の部分で言うなら、
「自分に合ったレベルに落としたのに、それでも理解できない…」
という状態になった人向けの話になります。
ここで言う「基礎知識」とは高校レベルの知識を指しています。目安としては大学入試センターで8割取れた科目は基礎知識が身についていると判定するそうです。
以降は高校レベルの基礎知識を勉強する方法、つまりセンター入試で8割を取るための方法が延々と語られるので割愛。
これがオススメする人の中に受験生が混じっていた理由です。
知識を得たい場合の学習法
ここまでで何度か知識を入れることが重要という話をしてきました。
ここでは「読書の技法」で紹介されている勉強法をお伝えします。
ここで紹介されている勉強法は9つあり、本来は高校の政治・経済の教科書の勉強法なのですが、どのジャンルの勉強にも役立てることができそうな部分のみをピックアップしました。
テーマを決める
ビジネスパーソンの場合、テーマは仕事をするうえで、現在、もしくは将来必要となる事項がテーマとなる。(中略)動機があいまいなままダラダラ学習することは時間と機会費用の無駄なのでやめたほうがいい。
読書の技法 171ページ より
ビジネスパーソンかどうかに関わらず「何のために読書をするのか?」は必ず決めておきましょう。
専門書を読む
ある程度の基礎知識があり、専門家が何を話しているのかをだいたい理解できるようになって初めて専門書を読むことができるのだ
読書の技法 174ページ より
つまり専門書の内容がそれなりに理解できるようになったら、ある程度の基礎知識は備わったと考えてもOKということです。
基礎知識の勉強をある程度したら自分のレベルを計るためにも、専門書を読むことにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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小説や漫画は?
あんたは勉強もしないで漫画ばっかり見て!そんな無駄なことやめなさい!
なんて言われたり、テレビで見た経験ありませんか?
「読書の技法」では漫画や小説といった娯楽のための読書についてどう考えているのでしょう?
答えを言うと、「娯楽以外にも効果がある」と述べています。
動機付け
例えば「ベルばら」でフランス革命、「三国志」で中国史など、勉強するモチベーションを上げるために使える。
ただし、そういった創作物で「歴史を学ぶ」ということはしてはいけない。創作はあくまでも創作。正しい歴史を学ぶのであれば、教科書や専門書で学ぶべき。
社会や人間関係の縮図として類比的(アナロジー)に読む
登場人物やその周りの環境は作品が描かれた時代を反映している事が多い。そこから社会や人間を理解する手がかりを得ることができる。
ここで挙げた2つ以外にも良い影響を与えてくれると述べています。
娯楽のための読書を勉強として活用したいと思った方はぜひ一読を。
読書(勉強)効率を上げたいなら
最後に「読書の技法」で紹介されている読書効率の上げ方を3つお伝えして終わります。
自分の理想の読書環境を見つけること
図書館のような静かな場所、喫茶店のような少し音や声がする場所、電車の中…
人によって落ち着く・集中できる環境は違います。
自分が読書をするのに合った環境はどこなのかを探すことが重要だと述べています。
特定の場所で読書をする
俗に言う「聖地」で読書をするということです。
例えば自分の部屋で本を読むのと、実際にその土地(聖地)を訪れたうえで本を読む。
どちらが記憶に残ったかと言われたら、ほとんどの人が聖地で本を読む方と答えるでしょう。
なぜなら本だけではなく自分の体でも体験しているからです。
テーマを決め、週に一回書評の会合を行う
筆者が外交官時代のとき数人で書評を行っており、ルールは
・本は自分が専門とする分野、あるいはインテリジェンスの観点から役に立つもの
・1冊の本に対しA4用紙1枚程度の資料を作ること
・1回の会合で一人最低でも2冊の本について資料を作る
このやり方で1時間に20冊程度、1ヶ月で80冊の本の内容をかなり深く理解することができたと語っています。
読者である我々が書評をする場合のアドバイスも簡単にまとめられていますが、その内容はぜひ自分の目で。
まとめ
ここまで見て下さり、本当にありがとうございます。
この記事で紹介した「読書の技法」の内容をまとめると以下のようになります。
・知識があれば熟読する部分が減る=読み飛ばせる=時間短縮になる
・熟読する本を仕分けるために速読をする
・読書ノートは必ずつけよう
・基礎知識と目的意識は大事
・小説や漫画でも勉強することはできる
・読む本も大事だが、読む場所も大事
他にも私たちに役立つ情報がまだまだありますので、もっと知りたい!と思って下さった方はぜひ実際に「読書の技法」を手に取ってみてください。
「おまけ部分は要らないよ!」という方はここまでで。
では良き読書ライフを。ご拝読ありがとうございました。
おまけ
ここでは本の内容ではなく筆者のことや私がこの本を知ったきっかけについてお話します。
この本を書いた人は何者?
佐藤 優さん(Googleの画像検索結果に飛びます)
「読書の技法」の著者紹介ページでは以下のように記述されています。
作家、元外務省主任分析官。1960年、東京都生まれ。
読書の技法 著者紹介 より
1985年に同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在英国日本大使館、在ロシア連邦日本国大使館に勤務した後、本省国際情報局分析第一課において、主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍。2002年、背任と偽計業務妨害容疑で東京地検特捜部に逮捕され、2005年に執行猶予付き有罪判決を受ける。2009年に最高裁で有罪が確定し、外務省を失職。(以下略)
テレビでは外交問題に関連した話題のときによく出演されている印象があります。
「読書の技法」以外にも多数の本を出版されており、いくつか賞も獲得されている方です。
ここでは著者紹介で挙げられた中でも賞を獲得した本を紹介します。
興味を持たれた方はぜひ手に取ってみて下さい。
この本を知ったきっかけは?
メンタリストDaiGoさんがこちらの動画で紹介されていました。
6455字/9h15m
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