今回は学歴も実力も無いけど経営者として成功したい人に向けて「 一日一話 (著者:鍵山秀三郎)」を紹介します。
鍵山秀三郎さんは皆さんも一度はその名を耳にしたことがある「イエローハット」の創業者です。詳しくはWikipediaに任せます。
この本は私の前職の会社で朝礼用に配られた本でした。当時は何の役にも立たないと思っていましたが、自分で稼ぐことを意識をした状態で改めてこの本を読むと、色々学ばされる事が多くありました。
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どんな内容?
今回紹介する「一日一話」は1日1話、1月1日~12月31日の計366個の話で著者の鍵山秀三郎さんの考え方を学ぼうという本です。様々なエピソードや考え方が載っていますが、ざっくり分けると以下の情報が得られます。
鍵山秀三郎さんの
・仕事に対する考え方
・経営に対する考え方
・生き方
・日本を良くする方法
・掃除をする理由
計5つ+1つのエピソードや考え方を紹介していきます。
仕事に対する考え方
ここでは鍵山秀三郎さんの仕事に対しての考え方、特に、この世に存在するどんな職業でも必ず考えなければならない「お客様」についての考え方を1つ紹介します。
「お店が古く汚くなってきた」「立地が悪い」「商品がライバルに負けている」「値段が他店より高い」……繁盛しない原因としてあげられるもっともらしい言い訳です。
「一日一話」82ページ
しかし、お客様が求めている本当のサービスは、そんなことではありません。
お客様はそれ以上に、店員の無関心な態度に不満を持ち、愛想をつかして来店されないことを知るべきです。
「~が悪いから客が来ない」という自分には問題がないという態度を改めさせる言葉です。お客さんを大切に扱うことの重要さを思い出させてくれます。
「お客様」に対する考え方の他にも「仕事の効率化」「仕入先」「店作り」といった仕事に関わる多くの考え方を紹介しています。
もしかしたら、あなたが今悩んでいることの解決のヒントがこの本にあるかもしれませんよ?
会社経営に対する考え方
鍵山秀三郎さんは経営者なので、当然、経営に関しての持論を持っています。ここでは会社経営そのものについての鍵山秀三郎さんの自論を1つ紹介します。
世間に迷惑をかけなければ成り立っていかないような会社であれば、その会社は存在すべきではありません。
「一日一話」58ページ
また、世間から顰蹙を買うような会社だとするならば、会社経営をしている意味がありません。
できれば、世間から喜ばれ、社員が誇りを持てるような会社にしたい。
会社経営に対する私の一貫した姿勢です。
自分の会社をどんな会社にしたいかについて述べられています。つまり、夢・目標を語っています。最終的にどういう状態になるのが理想か?これは個人でも企業でも必要なことです。
あなたは達成したい夢や目標がありますか?そこに向かって進めていますか?
他には「社員に対する考え方」「経営方針」「利益について」といったことにも言及されています。
生き方
紹介されているエピソードでは自分はどういう生き方をしているか(してきたか)というものもあります。数ある中で、今から誰にでもできる生き方を1つ紹介します。
もともと才能のない私がこの世で生きていくためには、次の二つの選択肢しか考えられませんでした。
「一日一話」 164ページ
一つは、悪いことをして何かを得ること。あと一つは、誰にでもできる平凡なことを徹底していくこと。
悪いことをする度胸のなかった私は、平凡なことを徹底して今日までやってきました。結果において、思いもかけない大きな力をいただきました。
鍵山秀三郎さんは創業当時、毎日トイレ掃除をしていたそうですが、社員からはバカにされ続けていました。それにも負けず毎日毎日やっていくうちに1人、2人と協力してくれる人が出てきたそうです。
まさに「継続は力なり」。平凡なことや誰にでもできることを毎日積み上げていけば、気づけば誰にも到達できなかったところまで行くことができた。よく聞く言葉です。
他には「両親からの教育」「自分の経験」「読んだ本」から得た生きる上での大切な考え方を教えてくれています。
日本を良くする方法
「一日一話」では現代の日本社会や一人ひとりの心の在り方についても語られています。
たとえ政府が百兆円投下しても、いまの日本はよくなりません。後世に借金を残すだけだと思います。
「一日一話」39ページ
日本を良くするには、国民一人ひとりがちょっとした思いやりや人を喜ばせようという気持ちを持つことです。
そうすれば、たちまちこの国はよくなると確信をしています。国民一人ひとりの生き方に、この国の将来はかかっています。
「経営者目線で考える今の日本を良くする方法」ということだと思います。経営者として様々な人間を見てきたからこそ、解決案を提示できるのではないでしょうか?
日本を会社、国民を社員に置き換えて考えると「ああ、なるほど」と思います。思いやりのない人ばかり居たのでは、その集団は良くなりません。
他には「道徳心」「国会」「政治家」「先生」について語っています。どれも経営者として行動し続けたから見えたものだと思います。
掃除をする理由
「一日一話」の中で掃除にまつわるエピソードは毎月2~4回くらい登場します。特に素手でのトイレ掃除に関しては毎月1~2回ほど紹介されています。それくらい鍵山秀三郎さんはトイレ掃除にこだわっていました。
そのこだわりが結果としてNPO法人「日本を美しくする会|掃除に学ぶ会」を設立するまでに。では、その掃除を始めた動機とは何だったのでしょう?こう述べています。
「どうしてこんなに掃除をするのか」と疑いたくなるほど私の両親は掃除をしておりました。そういう家庭に育ちましたので、自分の周囲や職場の掃除を抵抗なくするようになりました。
「一日一話」 76ページ
特別な能力を持ち合わせていなかった私は、せめて社員が出社するまでに、きれいに掃除をしておくことが唯一、当時の私にできる社員への感謝ではないかと信じておりました。
「生き方」で紹介したできることをやり続けたということです。
掃除に関するエピソードはたくさんあり、「社員」「地域」「学校」「会社」「仕事」などといった場所だけでなく、環境や人間関係にも良い影響を与えたそうです。
???なエピソード
最後に「一日一話」の中に唯一あった、「えっ!?」と思うようなエピソードを紹介します。
(前略)
「一日一話」 168ページ
持っていた個人資産は当然のこと、子供の貯金にまで手を出し、借金返済につぎ込んだこともあります。
(後略)
・・・人のカネに手を出しちゃ、ダメだろ!
というのは私の感想です。
「子供の信用を無くすことを覚悟で会社の経営を維持しようとしていた」という考え方もできますからね。
このエピソードをどう考えるかは皆さん次第です。少なくとも私は、他人のカネに手を出すつもりは無いというだけです。
感想
一つ一つのエピソードや考え方に対して、何を伝えたいのか?自分の考えと合っているか?これからの自分に役立てるには?を考える訓練になる本でした。
今の自分と、3年、5年後に読み返したときの自分はどう考え方が変わっているのか?ということにも興味が出てきました。
3年、5年経てば当然、環境が変わりますからね。環境が変われば考え方も変わります。今、共感できたことが共感できなくなる、逆に共感できなかったことが共感できるようになる。その変化はなぜ起きたのか?を考えることはきっと楽しいはずです。
しかし、最後のエピソードだけは3年経っても10年経っても共感できないような気がします。
そして肝心の成功の秘訣は「他人を思いやることができるか」「夢・目標に沿った行動を継続できるか」に集約されるのではないかと。
仕事においてお客さんの存在は絶対ですし、仕事以外にしても人間一人ができることには限界があります。良い関係を築くためにはやはり、他人に思いやりを持つことが必要です。これは時代、場所を越えて通用することだと思います。
そして行動するには夢や目標が必要となります。「なんとなく」「よく分からないけど」といった具体性に欠ける行動目標では誰も付いてきません。「私は人生でこれを成し遂げたい!そのためにはこれが必要!だから協力してくれ!」といった熱い夢や目標に人は動かされます。
少年誌が良いお手本です。
「オレは〇〇になる!」
「オレは世界を変える!」
「~のために努力する!」
一度はこんなセリフを聞いたことがあるはずです。夢や目標が高く、主人公の想いが熱ければ熱いほど読者は引き込まれていきます。
そして、目標を達成するには必ず挑戦が必要です。それも1回や2回ではなく10回、20回、100回、それ以上。挑戦→失敗→再挑戦→新たな問題→失敗→再挑戦→…夢の実現には挑戦や行動を継続する事が必要です。当然何度も失敗を重ねます。
そんな失敗を繰り返しても挑戦を諦めない姿を見ると、人は応援したくなるものです。たった一度の失敗で諦める人を誰が応援するのでしょうか?
自分の熱い夢を周りの人間を巻き込んで挑戦する。そして何度も諦めずに挑戦することで必ず応援してくれる人が現れます。協力してくれる人や応援してくれる人に対して、思いやりの心を忘れずに行動を継続することが夢を実現させる近道なのではないかと思いました。
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まとめ
今回紹介したのは「一日一話(著者:鍵山秀三郎)」でした。もっと他のエピソード(360個)が知りたい!という方は↓からご購入ください。
内容は著者である鍵山秀三郎さんの様々な考え方を1日1話、計366個のエピソードで学ぶという内容でした。
この記事では鍵山秀三郎さんの
・仕事に対する考え方
・経営に対する考え方
・生き方
・日本を良くする方法
・掃除をする理由
を紹介しました。
では良き読書ライフを。
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